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日本の伝統楽器、和太鼓。この和太鼓というとても原始的な楽器を全ての人々の「健康で心豊かな生活づくり」のためにどのように活用できるのかを研究・実践・修養する機関としてNPO法人をつくり、日々活動しております。スタッフのいろいろ報告ブログです!
2008/03/09 日記

昨日、京都でお世話になっているチームの発表会を控えた一日練習があった。

毎年一年の集大成を家族や友達、
地域の人たちに観てもらう「ライブ」演奏会を行っている。
会場は、地域の体育館。
何もかもが保護者の手によって準備され、普段は普通のフロアが、
当日朝の短時間で見事に「舞台」に生まれかわる。
中央にシンボルマークの書かれた幕を張り、
板数枚をまさしくその道のプロの父ちゃん達が
舞台の袖幕に仕立てシンボルカラーの布を垂らす。
母ちゃん達は舞台と客席の仕切の「特別な品物?」を作る。
ある年は、「生花」ある年は、「風車」。
袖幕の板と「特別な品物」で、
フロアは、横15㍍奥行7㍍ほどの舞台に早変わりする。

客席にはゴザを敷き、ストーブを各家庭から持ち寄り
見に来てくれる人を暖かく迎えている。
バレーの審判席が、演奏会全部を録画する「特設ビデオ撮影席」になり、
得点板が照明の取り付け板。
MC用マイクとスピーカーは、どなたかの職場の借り物、
今年は私の「わがまま?」で「平台」を作って頂くことになった。
子ども全員での演奏曲をひとつ増やしたあげく、
実は太鼓の数が半端でないことをしようとしている。
新年会でその話を持ち出したとき、
「え~っ」という声(勘弁してくれよ~という悲鳴もあったか?)。
この保護者の方々には、どこかでお金を出して借りるという発想がなく、
「作る」ということになることが何とも底抜けにすごいところなのだ。
なければあるものを活用して仕立て上げる。
ビールを飲みながら、呆れられながら、
それでも父ちゃん達は何やらブツブツと(実はどうしたらいいかと)
相談をしてはった・・・。
いつかの年は、照明も確か個人持ちだったような?気がする。
演奏している子ども達にちゃんとスポットが当たるように
毎年毎年改良?がされ、
いつもその技術と工夫に私は「感歎の悲鳴」を上げてきた。

このチームの指導に関わらせていただいてもう10年以上になるが、
保護者の方々の生活も年々忙しくなってきているように思う。
昔は、練習しているところに姉弟をつれて見に来てくれて、励ましたり「檄」をとばしたり、
子どもが熱心に太鼓を打っているのを見て「涙」したり・・・
今は、お仕事や生活の忙しさで
なかなか練習をみてもらうような余裕はない感じだが、
そんな大変な中、少しずつ夜に集まって段取りの打ち合わせを重ね
「できることを少しずつやろう」というリーダーの励ましの元、
念入りな準備をされているらしい。

この日は、6年生の「卒団」を意識した特別な日にもなっている。
児童から青年になる「花道」のようにみんなでお祝いをする。
和太鼓の演奏もいつの日からか、6年生だけでの演奏をつくるようになって、もう何年になるのだろうか。
今年は4人。男子1名女子3名。4人とも6年間続けた子達である。

昨年の秋、この子達が私に相談といって話をもってきてくれた。
「先生、わたしら6年生4人で、難しい曲に挑戦したい。
どんなに難しくても最後までやり切るし、お願いします。」
6年生の女子のカラーは、所謂チャキチャキしているようなタイプではなく、
弟や妹を良く面倒みる落ちついたお兄さんお姉さんタイプの子達である。(そういえば4人とも長男長女であった。)
そんな静かな子達だけに、この子達のこころの中に内に秘めた決意というか
熱意のようなものを感じ、そのことがとても嬉しかった。
しかし、これは結構大きな宿題であった。

和太鼓の演奏はどうしても「迫力感」が優先し、
周囲の期待もそういうところに比重が大きい。
「4人の持ち味を発揮して4人それぞれの色で
ひとり一人が織っていくことのできる曲」
「ずっと続く感じのするもの」など。おおよその構想ができてから、
それはそれは色々とやってみて・・・
「よしこれでいこう」と決まったのは、2月を迎えていた。

チームの練習は月2回。
基本的には低学年と高学年の組分けでそれぞれ1時間ずつの練習時間。
しかし、実際は練習時間を小刻みに区切って色々な曲を
同時進行で練習していくことが多い。
「パズル」のような練習内容で
曲構成を覚えることは、(いいのかどうか疑問だが)
いつのまにかメンバーは得意になっている。
(出演も多く曲構成がしょっちゅう変わる)ので、
ひとつの曲をじっくりやることは結構難しい。

6年生の彼らは、毎回出る「宿題」をそれはそれはきちんとやり、
最終的には自分で自分が解るように書き直してくる子もいた。
ひとりで締太鼓を打つ女子はいち早く暗譜をしていた。
練習時間以外に太鼓に向かう姿が想像できた。
打ち方も最初は訥々としたバチの動きだったのが、
横で一緒に打っている私の動きを
「見て覚えていった」としか思えないが
(余り細かいことは言っていないのです)・・
いつのまにか綺麗なストロークで
音もしっかりとした演奏に変わっていった。
長胴を打つ3人もそれぞれのソロになるところを
たくさん織り込み1曲にした。
ずっと一緒に打ってきた彼らなので、
かけあいのような展開はお手のもの。
10分はある長い曲ができた。
この子達の未来にお日様がいっぱい照るようにと思い
「燦」という名前を付けた。(3拍子とかけて)

来週の日曜日。演奏会本番である。
楽しみでもあり、もうこの子達は「卒業」かと思うと
「さみしい」のは私も年をとったのかな?
他の学年の子達もこの時期は、
未来へのモチベーションが高まっていて何をやっても
スポンジみたいに吸収し、自信に満ちた顔をしている。

3月・・いい時期だ。
さみしいこともあるけど
子ども達の中に確実に芽吹いているものを感じる頃。
さあ、当日は精一杯楽しんで演奏しよう!

ノグチ

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