2008/03/14
この春、「どんつく」の2年目の卒業生が
ひとりプロを目指して独り立ちする。
今年の3月は、私にとって特に感慨深い月だ。
先日練習を覗いてくれた彼と一緒に私の締太鼓を締めた。
またついでの時にでもと思っていたが、
ふと見るとうちの吉田と足を踏ん張って二人で締め上げをいた。
途中で私がバトンタッチして彼と向かい合って座った。
高校で習ったやり方があるらしく、
バチを補助棒にうまく使って私を気遣いながら、
自分は一生懸命に力を入れて縄をひっぱている。
ギギギッという鈍い音は、よく締まっているときの音だ。
非力な私はなかなかそんな音はしない。
縄は、結ぶのでなく織るように(折るように)
締めていくのだと昔習った。
縄の編み方をよく見て噛ませていくように一回一回折っていく。
私は、ひと折りひと折り折った一本一本締めた縄の中に、
この子の優しい暖かい気持ちと旅立ちの前のほんの短い時間だが、
この子との思い出が埋め込まれたようで、本当に嬉しかった。
コンコンととても優しく心地いい響きの太鼓になった。
ノグチ
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