そしてラストを飾るのは、
25日、クリスマス当日の朝6時にポンディチリーを車で出発して、約7時間の行程で到着。
南インドのかなり内陸部に入っているので、岩山のような光景の中で現れた森、その中に学校はあった。
30年前に始めた時に、木を植えることから始まり、自然環境についても非常に意識の高い取り組みをしている学校である。子どもたちも環境に対する意識は高い。
子どもたちの食事はすべて、学校の周囲の畑で、学校スタッフ(近隣の村人)がつくった有機野菜で調理され、それを3食食べる。
牛を飼い、乳をしぼる。その乳製品ももちろん子どもたち用。
全校生徒は4年生(日本人と同じ学年)~12年生まで約500名ぐらいだろうか。
ここの学校は前述のアーシュラムとは違い、学費はかかり、どちらかというとお金持ちの子どもたちが来ている傾向が高いそうだ。
シヴァさんの娘のハスちゃんから色々話を聞く。
この学校は、「シンプルに学び、生活をすること」を基本的な理念として、やはりここでも人間としての教育に重点をおいているようだ。
子どもたちは、学校(寮)にお金を持ち込んではいけない、ゲームや携帯などはもってのほかで、学校でのさまざまな学習、スポーツ、芸術活動以外のものは厳しく持ち込めなくなっているようだ。服装も派手なものはだめ、テレビもなく、土曜日の夜にみんなで映画鑑賞をしたりはするみたい(実際ボクが行っている間にも土曜日があり、「オーストラリア」という洋画を見ていた)
朝は早く起床し、夜は早くに休む。ヨガやインド伝統芸能にも取り組むという。
学習を自主的に行うようなプログラムがいくつも用意されているようで(このあたりは詳しく聞けなかったが)、高校生になると、大学のゼミのような活動をしているのかな?という感じがした。課題を見守る先生たちの目は、きっちりシビアなようだけど、子ども自身、この「プロジェクト」にはかなり気持ちを入れて取り組んでいるようなニュアンスだった。
言葉じりから、生徒がこの学校にいることに誇りをもっているような感じだったなあ。
それにしても、どこまでもシンプルに「学びに純粋に取り組める環境」が用意されている寄宿制の学校に集う子達が、比較的お金持ちの娘さん息子さんということが、日本ではちょっと考えられませんよね。日本はお金があれば、ちょっとでも高学歴が身につく通学制の私立学校に入れたいという親が多いのを考えると。
どこに入れるか、でなく、どう育てるか、に親の関心があるということでしょうか
子どもたちの様子で、驚き+αだったのは、
大勢の人数で話を聞く場面になったとき、最初はわいわいがやがやしていても、何かのきっかけ(先生かな?それとも生徒自身かな?)で一気にしーんとおしゃべりを止めて、話をしようとする人の方をくっと皆が見るということ。
このメリハリが聞くというか、聞こうとするときのまっすぐな眼差しが、鳥肌ものでした。
言いすぎかもしれないけれど、“知性”を感じました。
このことは、ボクが演奏を行う時も同じで、大きな石造りの素敵なホールで約500人の生徒すべてが、まっすぐな視線・態度で向かってくれているというのは、演奏のしがいがあるってものですよ!
演奏もワークショップも、そんなこんなで、たいへん生徒の皆さんに助けられたことは言うまでもありませんね
人懐っこい子どもたちは、演奏後のボクを見つけると、必ずみんな寄ってきて、声をかけてきてくれるのでした
さて、このリシバリースクール、
前述した「オーロビンドアーシュラム」のスクールと共通して言えることは
地域の人々が不可欠な存在としてあることですね
日本で最近取りざたされている“食育”を、地で行くようなこの実践
地域の村人スタッフが労働力を学校に提供して、
作物を育てて収穫し、牛を育てて乳をしぼり、
ご飯をつくり、学校やさまざまな施設のメンテナンスをする
地域の人たちの支えなくして、この学校は成り立たないわけですよ
このことがとても素晴らしいところだと思うのです
と、まあ、こんな感じで
南インド学校訪問してきました
インドそのものから受けるもの
学校から学んだもの
旅だからこそ得たもの
…英語が通じない・わからない(そりゃそうよ95%関西弁だもんな)ことでの冷や汗もありーの、
リゾートではない一週間、シャワーから湯が出ないなどのハプニングによる若干のストレスもありーの
ゆるゆるなところに助けられつつ、時にゆるゆるなところに苦虫つぶし
でも、非常に貴重で濃密な体験がたくさんできたこと
シヴァさんと、そのご家族、
たくさんのみなさんに感謝したいと思います。
この1週間、本当にありがとう。ありがとう。
これにて、南インド学校見聞録はおしまいです。
長々と失礼いたしました。
さて、そして皆様、今年も一年、本当にお世話になりありがとうございました。
この充電期間で得られたものを、「和太鼓教育研究所設立5周年」という形で
力いっぱいやって参りたいと思います。
何とぞ、来年もよろしくお願いいたします。
では、よいお年を!!!
ヨシタク
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